開発系ブログを10年書き続ける方法1: 誰のために書くかをまず決める

個人的に運用している開発系ブログ(https://wp-kyoto.net )が10年を迎えました。我ながらよく続いたものだという気持ちもありますが、せっかくなので10年間書き続けることができた理由がどこにあるかを振り返りしてみようと思います。

「このブログは誰のために書くのか」を決めてから、更新ペースが安定した

長く続けるためにまず必要なのは、「そのブログの顧客は誰か?」を決めることだと思います。これはマーケティング的にも大事なことですが、実は個人ブログでも、書き続けるためのモチベーションを維持するために重要です。

立ち上げて1〜2年の間は、かなり更新頻度の低いブログでした。年間50〜100記事ペースで記事を出し始めるようになったのは3〜4年目あたりからだったと記憶しています。頻度が高くなる前後の違いとして大きいのが、誰が顧客か?を決めたことだと思っています。

自分の技術ブログでは、「半年後の自分」を顧客にしました。これはほとんどたまたまなのですが、「どうせ自分くらいしか見てないんだから、自分が後で見るかもしれない事柄だけ書けばいいや」と開き直れたことが大きいと思います。

技術ブログ、特に個人のサイトでは広告収入もバズりもなかなか期待できません。収益化も難しく、知名度が上がった実感もないとなると、次第に何のために、誰のために書いてるブログかわからなくなってきます。そうなると、他にやりたいことや優先したいことがタスクリストの上の方に入るようになり、ブログの更新は止まります。誰のために書いているかなどの目的を置くことで、それが柱となって更新を続ける支えになります。

まずは自分のためで良い

個人での発信の良いところは、目的を自分のためにしてよいことです。自分の場合は、半年後の自分のために書くことを意識したとこで、更新ペースが比較的安定しました。新しい技術やプロダクトを試した時に、それのメモをブログ記事にする。そうすることで、あとで思い出せなくなった時にサイト内検索を使えば、当時の自分の言葉で書かれた解説が見つかります。「ここで書いておけば、運用フェーズでまたやる必要が起きても、このサイトをみればわかる」と思えるようになれば、おのずと書くモチベーションやネタが出てくるようになります。

自分用に書きまとめることで、振り返りにもなる

さらにメモとして記事にすることのメリットはまだあります。自分の言葉として書き直すことで、理解を深めることができるのです。情報に体験と経験がのることで、自分の知識としてインデックスができます。頭の中にインデックスができれば、あとは詳細については記事を読み返すだけでよくなります。

AIと自分向けのデータソースの組み合わせ

最近ではLLMを使ったRAGなども登場しています。RAGやLLMの詳細については割愛しますが、RAGを使うことができれば、過去の記事を読み返して思い出すのではなく、「過去の自分に質問の答えを求めること」が可能です。RAGの仕組みを考えると、やりたいことをどう実現したかだけの短いメモの方がデータソースに向いている可能性もあります。これはLLMに渡す情報にノイズが入りにくく、精度が高まることが期待できるからです。

「誰かに向けて書く」練習として、自分向けに書く

DevRelやマーケ、アフィリエイトを目指す場合、自分のために書くブログではあまり経験にならなさそうに感じます。しかし自分のために書いた経験があると、それを物差しにできます。「自分はこれ知りたかったけど、反応があまりないな」と思ったとき、書く内容のコンテキストがおそらくターゲットとずれていることがわかるのです。その場合、「なぜそれが必要か」のような前提の話を先にすべきかもしれません。書いた記事を読み返して、なんでこの記事欲しいと思ったんだろうかと振り返るのも良い訓練になります。誰かのために書く経験を積むことになるという意味でも、自分のために書くことを第一歩とするのはどうでしょうか?

まずは自分のための、メモからはじめよう

ブログや開発系のブログを書いたことがないか続いたことがない人は、まずはやったことや覚えたこと、ハマったことのメモを作りましょう。日誌や覚書で大丈夫ですし、Zennのスクラップなどからで構いません。記憶ではなく記録にする経験を積みましょう。

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