技術ブログを10年書き続ける方法4: 時間を切って諦める。そして諦めたことを記録する

ブログを書きはじめて10年が経ちましたが、それと同時にリモートワークで働きはじめてからも7〜8年は経ちました。自宅で一人で働く上で大切だなと思っていることと、それをブログの記事作成につなげている話を今回はしたいと思います。

「ひとりで悩みすぎない」

リモートワークでは、基本的に働くその場に自分しかいません。そのため、「手が進んでいないけど、どうした?」のように周りからトラブルに気づいてもらうことが非常に難しくなります。とはいえ何でもかんでも独りで解決できるということはまずなく、誰かの力を借りながら目的を達成させる必要があります。

はじめてリモートワークで働きはじめた時に、先輩や上司からなんども言われた言葉が、「独りで抱えるな。詰まったらすぐに相談しろ」です。これはチケット管理ツールや社内チャットなどにある情報からしかメンバーの様子を伺うことができないため、「異変が起きていること」に気づいてもらうことが重要なために言われていました。特に規模の小さな会社では、マネージメント層のメンバーも手を動かしたり現場に出ていることが少なくなく、どうしてもメンバーが問題を抱えていることに気づきにくいということもあるのだろうなと思います。

任された仕事を独りで完遂できないのは、忸怩たる思いになるかもしれません。ですが本来の目的は「顧客から依頼されたタスクを、期日内に終わらせること」です。「聞くは一時の恥、聞かぬは一生の恥」とも言いますので、うまく行かない・時間内に終わりそうにないと思った時は素早くチャットなどで助けを求めることが重要です。

15分・2時間ルール

「素早く助けを求めることが大事」なのはわかるが、どれくらいの基準で助けを求めるべきかわからない・・・ということもリモートワークを始めた初期にはありがちです。あまり早く助けを求めても、まわりに迷惑をかけないかと不安になることもあるでしょう。周りがこちらの様子がわからないのと同様に、こちらも周りの様子がわかりにくいため、普段よりも気を遣ってしまいがちなのがリモートワークでもあります。

初めてリモートワークで働いた会社で、判断基準として提案された数字が「15分」と「2時間」の2つです。この数字は次のように紹介されました。

  • 「15分悩んだら、悩んでいることを教えてくれ」
  • 「2時間経っても解決しなさそうなら、解決しなさそうなことを教えてくれ」

いま思い返すと、15分と2時間がなぜこの数字になったかを聞くことを忘れていた気はしています。ただ、おそらく会社やチームの経験知的なもので、「だいたいこれくらいを閾値にしておこう」と合意がとれたものだったのではないかと思います。しかしいずれにせよ、リモートワークや新しい作業などにまだ馴染めていないタイミングでは、このような目安の時間をシェアしてもらえたことはとても助かりましたし、「あ、聞いていいんだ」という気持ちになれたことを覚えています。

時間で区切ること、撤退を恐れないこと

新しいことに取り組む時に、一番回避すべきことは、「嫌になること」だと思っています。ですので、嫌になる前に一旦距離を置いたり、自力での解決を諦めるなどの「一時撤退」の判断ができるかどうかが重要です。個人の技術ブログなどには、「撤退してはいけない理由」はほとんどの場合で存在しません。うまく行かなかった状態で終わることは不本意かもしれませんが、それでも完全に嫌になる前に終わらせることで、「またやってみよう」と思える余地を残せるようにすることをおすすめします。

撤退する際は、せっかくなので「なぜ撤退したか、なにがうまく行かなかったか」をメモでよいので残しておくと良いでしょう。エラーログや操作画面のキャプチャ、ひとこと二言の書き置きでも構いません。その書き残しが、再挑戦する際の攻略ヒントになるかもしれません。また、その書き残しをもとに、「なぜうまく行かなかったか」を振り返る記事を書いてみるのも一つです。「ただ撤退するのは悔しい」という方は、ぜひ「失敗を糧に・ネタにする」形で、「タダでは引き下がらないぞ」と切り替えていく方法をぜひお試しください。

PAGE TOP