2025年3月1日に開催されたJAWS Days 2025にスポンサー登壇 & 参加してきました。登壇側の振り返りはまた後日として、こちらは参加したセッションについて紹介したいと思います。
JAWS Days 2025について
JAWS DAYS 2025は、JAWS-UG(AWS User Group – Japan)主催のユーザーカンファレンスとして2025年3月1日に開催されました。今年のテーマは「Connecting the Dots」。技術の点と点を繋ぎ、ビジネス価値を創出するという意図が込められています。

AIを活用する・AIと働く
参加したセッションを振り返ると、個人的なテーマはやはりAIにあったなと思います。AIエージェントの仕組みや作り方・未来についてのセッションや現場で実際に導入した体験を紹介されているセッション、そしてなによりもキーノートにおける次世代のソフトウェア開発など「AIをどう活用するか」だけでなく、「AIとどう働くのがよいか?」について考えたい、考える機会を求めていたのかなと思います。
なかでも印象に残ったのは「すべての仕事はワークフローである」という考え方です。AIを導入する前に、まず業務プロセスを明確に定義し、整理することの重要性が繰り返し強調されていました。このあたりはセッションでも指摘がありましたが、「ビジネスドメインと技術理解の両方がないと、組織としてワークしないエージェントができてしまう」ことにもつながりそうです。技術がないと作ることは難しいですが、技術だけが先行し、ビジネス価値とのつながりが不明確になると、「使われないAI」が生まれてしまいます。
現場のフィードバックをいかに取り入れるか
その点でも事例セッションで面白いなと思ったのは、フィードバックの取り入れ方です。Slackを使った社内システムだったのですが、👍/👎のような(?)リアクションをフィードバックとして収集する方法が紹介されていました。またそれに加えて回答データ等を保存して検証する仕組みを作ることや、特に問題のある回答については専用チャンネルに転送し、即時対応する体制を作るという点は、プロダクトの改善だけでなく業務のワークフローをより正確に洗い出すことにも使えそうです。
競争優位性(MOAT)をどう作るか
吉田 真吾さんのセッションでは、さらに踏み込んで「AIで稼ぐこと」についても触れられていました。その中で重要とされていたものの1つがMOAT(競争優位性)です。具体的には、
- 独自データの蓄積と活用: 他社が簡単に複製できない自社固有のデータ資産
- 業務フローとの密な統合: 企業固有の業務プロセスに最適化された仕組み
- フィードバックループの確立: 継続的に学習・改善するシステム
などが挙がっていました。この辺りは事例セッション側であった、過去のやり取りやナレッジの蓄積なども当てはまりそうな気がします。
不可避な流れに乗り、変わらないものを見定める
キーノートの話でもあり、2017年ごろに小島さんが話されていたことでもあるのは、不可避な流れに逆らわないことかなと思います。生成AIが組み込まれたシステムや開発フローはこれから増えていくことは間違いないでしょうし、実際にStripeでもさまざまな場所でAI・生成AIが利用されているのを目の当たりにしてきました。この流れに逆らうのは並大抵の努力では難しいのではないかと思いますし、自分のキャリアのあり方を考えると、やはり生成AIを前提とした働き方や価値提案などを考える方向に行くべきだろうなと考えてます。
とはいえ流れに乗るだけでは軸足が定まらない部分もあり、この点についてもやはりAmazon / AWSで出てくる「今後10年で変わらないものは何か」という質問にも頭を向けるべきなのだろうなと思います。変わらないものを、不可避な流れにのってどう提供できるか。池袋で開催されたイベントは、この点について話し合うための1日だったのかもしれないと思います。